HOMECLAIR 刊行物クローズアップ NGO・NPO|地球の木
クローズアップ NGO・NPO

地球の木(特定非営利活動法人)
 〜日々の暮らしと消費者の視点で国際協力〜
地球の木

● 設立のきっかけ
● 活動の柱
● 団体の特色
● 活動事例
● 自治体との連携・自治体への意見
● 今後の活動方向



● 設立のきっかけ


 1980年代後半のアフリカの飢餓に対し、ランチ1食分を実際に抜いて飢餓を実感し、浮いたお金をユニセフに寄付する生活クラブ生協神奈川の運動がきっかけとなり、91年7月にグローバル市民基金「地球の木」が設立された(2000年4月NPO法人化)。横川芳江理事長は「この運動の中で、支援だけでなく学習会なども行いました。実はアフリカから日本に換金作物として穀物が輸出されていたのですが、それを食べられたら飢餓はなかったかもしれない。途上国の飢餓は遠い国の他人事ではなく、自分たちの生活に結びついているということに気がつき、それが設立の大きな原動力になりました。」と話す。



● 活動の柱


 「地球上の全ての人々と共に生きる」を基本理念に、(1)アジア地域へのプロジェクト支援(ネパール、カンボジア、ラオス、フィリピン)、(2)緊急支援、(3)国内活動(開発教育の実施とマジカルバナナなどの教材作成等)の3つを柱として活動している。

 生協の運動からスタートしたという経緯もあり、いずれも「生活者」としての視点をベースに、女性や子どものエンパワーメントに着目して活動している。

 例えば、ラオスでは森林保護と有機農業の普及を支援しているが、伐採されたラオスの木が私たちの生活の中に輸入木材として、どのように関係しているかを学びながら活動しているという。



● 団体の特色


 地球の木は、会員の8割が女性。また、財源の約7割が会費収入という「健全財政」も継続的な活動を行っていく上で大きな強みだろう。

 組織的には、神奈川県内に11のブランチを持ち、それぞれ自主的な活動を行うなど、地域に根をおろした活動を目指している。

 海外に拠点を持たないことも特色のひとつだろう。できるだけ現地の力でやっていけるように、現地国NGOへのプロジェクト支援・継続的モニタリングという形をとっている。こういった活動形態は、先進国NGOの最近の傾向でもある。また、海外事務所を持たないことから、その分、国内活動に力を入れられるという。



● 活動事例


 海外活動では、ネパールでの活動が成果を上げている。カイラリ郡という同国極西地域で展開されている女性のための取組みだ。地球の木は、ソアーズ(SOARS/持続可能な開発のための行動と調査の会 :代表ニルマラK.C.氏)をカウンターパートとし、そこが実施している女性のための識字教室やリーダートレーニング等を支援している。「識字教室で読み書きを学んだ女性の1人が、大学へ進学することができたのです。そうしたら、村の女性たちが、彼女を目標にするようになった」(同理事長)という。

 国内活動のいち押しは、国際理解教育の推進だ。例えば、横浜市内(鶴見区)のひとつの中学校で、2000年から3年間、全校実施できたことだそうだ。「最初依頼があったときは、学校側はNGOに丸投げすれば国際理解教育ができると思っていたようですが、先生方と話し合いを重ねて、お互いに理解を深め一緒にできるようになりました。」(同理事長)

 地球の木スタッフと教師とでワークショップなどを実施した上で、中学校全クラスで年間カリキュラムを組み、教師が行う事前・事後学習と地球の木による本番授業の組み合わせにより、一過性の行事に終わらない国際理解教育ができた。これを2000年度から数校で実施したというから、まさに「総合的な学習の時間」の先導的な取組みであったわけだ。



● 自治体との連携・自治体への意見


 神奈川県では、NGOの意見を県政に反映させるため、NGOの委員10名(公募・選考)からなるNGOかながわ国際協力会議を設置しているが、地球の木からは3期(1期2年)連続して委員を出している。

 また、各ブランチでは、地域の自治体の生涯学習事業に企画の段階から積極的に関わったりしている。

 一方、学校における国際理解教育の取組みについては、「全ての学校が先ほどの鶴見区の中学校のようになるとは限りません。校長先生などにNGOへの抵抗感があって、熱心な先生はいるのですが、なかなか全校態勢の取組みには持っていけない。教育委員会を含めて、NGOへの理解が進んでほしいところですね。」(同理事長)と改善を求めている。



● 今後の活動方向


 今年度から「私たちの暮らしから考える『非戦』―地球の木平和キャンペーン2002―」という取組みを展開し、森林ウォークやセミナー、シンプルなくらしのアイディア募集などを行っている。これは、自分たちの暮らしが世界とつながっていることを学び、そのスタイルを見直すことから始めて平和・非戦を実現しようという消費者ならではの視点を全面に打ち出した運動だ。

 今後はこの運動を発展させるとともに、「海外プロジェクトも見直して、地球の木らしく、もっと女性や暮らしに焦点を当てていきたいと思っています」(同理事長)という。

 海外活動も国内活動も、これからの活躍にますます期待がかかり、目が離せないNGOのひとつであろう。((財)自治体国際化協会連絡調整課)


地球の木
〒231-0032
横浜市中区不老町1-3-3フェニックス関内ビル2階
TEL:045-228-1575
FAX:045-228-1578
E-mail:CZR10753@nifty.ne.jp
URL:http://homepage1.nifty.com/EarthTree/





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