HOMECLAIR 刊行物クローズアップ NGO・NPO|近江渡来人倶楽部
クローズアップ NGO・NPO

近江渡来人倶楽部
 次世代の日本を心豊かで実り多いものに
 〜内なる国際化と多文化共生を目指して〜

近江渡来人倶楽部

● 設立のきっかけ
● 活動の目的
● 活動内容
● 今後の活動



● 設立のきっかけ


 日本の植民地支配によって発生した在日コリアンは、特別永住許可によって日本社会に根を張って暮らしている。そして、既に第1世代から第2世代へと主導的立場が継承され、まもなく第3世代への引継ぎを考えるべき時期となりつつある。

 また、若い世代の大多数は、日常生活において民族的偏見や差別を感じることが少ないため、自らも日本社会の一員であるとの認識がほとんどである。例えば、結婚相手も対日本人が85%を超え、帰化者も年間1万人を数え、ますますこれらの傾向に拍車がかかっている。

 しかしながら、第2世代の在日コリアンの多数は、こうした時代背景を理解・認識しようとせず、日本での永住を決意しながらも、依然として過去の被害者意識に支配されたまま、自己の経済的利益や民族的郷愁を優先しながら暮らしているのが現状である。

 他方、日本社会では在日コリアンの歴史的経緯についての知識が極端に不足しているため、彼らの存在に対する認識が希薄であるとともに、無知による誤解が潜在化しており、真の交流の阻害要因となっている。

 このような不健全な状態を改善するためには、在日コリアンが積極的に社会参加し、地域社会への貢献を通して存在をアピールすることが必要である。同時に、日本人との協働の過程で相互理解を深めながら、パートナーとしての信頼関係を構築すべきである、との結論に達した。

 そこで、まずは渡来人との関係が特に深く、歴史的遺産の多い近江から産声を上げ、具体的な行動を起こすことによって全国のモデルケースになるべきであると考え、2000年4月1日に「近江渡来人倶楽部」を設立。代表幹事である河炳俊のもと、事務局2名と正会員約70名のほか、賛助会員約20名が当倶楽部を支えている。



● 活動の目的


 21世紀の日本社会は「生産年齢人口」が急激に減少し、労働力については外国人に頼らざるを得ない時代を迎えるそうである。現在、日本全国の外国人登録者数は180万人を超え、15年前の約2倍に増えている。滋賀県においても外国籍住民の増加は顕著であり、今日では約2万5000人を数え総人口の2%に達する勢いである。しかも、ブラジルやペルーの日系人が半数を占めており、民族的少数者の絶対数を占めていた在日韓国・朝鮮人は25%に満たない。

 このように、日本社会は経験したことのない「多民族多文化社会」への移行を確実視されているが、言語や文化や生活習慣の異なる外国人との日常的な共存生活についてはほとんど経験がない。そのため、外国人を異質な存在とみなす傾向が強く、排他的でさえある。

 そこで、民族的少数者の先輩である在日コリアンと日本人の双方が、過去のかたくなな姿勢を取り除き、心豊かな「多文化共生社会」の構築に向かって、日本社会の意識改革に取り組むべきであると考えた。

 そして、活動の目的を次の3点にまとめた。
  1. 近代の渡来人である、在日韓国・朝鮮人(在日コリアン)への「根拠のない民族的偏見や差別」を解消することによって、彼らがルーツを隠すことなく堂々と暮らすことができる「自由で公正な開かれた社会」の実現を促進する。
  2. 現代の渡来人である、アジア系やラテン系をはじめとする外国籍住民への「排他的な対応」を改善することによって、彼らが日本社会の一員として心豊かに暮らすことができる「包容力と多様性を持った多文化共生社会」の実現を促進する。
  3. 世界平和を標ぼうし、国際社会のリーダーたらんとする21世紀の日本が、世界から信頼され尊敬を集めることができるよう、日本社会の「国際感覚と人権意識」の向上を目指す。


● 活動内容


 当倶楽部は、これらの目的を達成するために、次に掲げるような事業を展開している。
  1. 日本と朝鮮半島との関係について、客観的で正確な歴史認識の普及を促進する事業。
  2. 定住外国人の人権を尊重するとともに、相互理解を促進する事業。
そして、具体的には以下のような取組みを実践している。

(1)講演会の開催や講師派遣による啓発活動

(2)ヒューマニティーフォーラム21の開催
第1回 「人口減少社会の経済と外国人政策」と題するシンポジウム。
第2回 「21世紀の日本社会・内なる国際化と多文化共生」と題するシンポジウムと、「アジア文化の源流を訪ねて」をタイトルにアジア3カ国の琴の競演。
第3回 「渡来文化と近江への道」と題して日本人のルーツについて、全国の研究者による発表と意見交換。
第4回 「多文化共生時代の日本社会と在日コリアン」と題して、講演会とシンポジウムとひとり芝居を開催。
(3)おうみ多文化交流フェスティバルの開催

 現在、第1回を企画中であるが、その趣旨は以下に示すものである。
  • 世界各国の文化・芸術に接する。
  • 外国籍住民の本国の生活文化(習慣・食べ物・遊び等)を体験する。
  • 外国籍住民の暮らし(生活)の現状を紹介する。


● 今後の活動


 対外的な活動については充実してきたが、いま一度原点に立ち返り、会員中心の活動を活発化させる必要に駆られている。そのため、勉強会(ビデオ上映会や会員討論会)などを通して人材を育成するとともに、渡来人歴史資料館や外国籍住民サポートセンターの開設を通して、具体的活動を推進する予定である。


近江渡来人倶楽部
〒520-0022 滋賀県大津市柳が崎5−25
TEL:077-526-2929
FAX:077-525-5300
E-mail:tryjing@hkg.odn.ne.jp
URL:http://www.tryjing.com


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