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1995年独立30周年を迎えたシンガポールは、世界貿易の要所に位置しながら、主たる天然資源をもたない島国である。また、複数の民族が共存し、国の発展のために人材育成をどのように行うかは重要な問題である。著しい発展を遂げてきたシンガポールは、小学校からの厳しい選別が行われる独自の教育システムを取り入れ、更なる発展を目指している。
(財)自治体国際化協会シンガポール事務所
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初等教育(小学校教育) このレベルでの教育は2つの段階に分けられる。1〜4年生の基礎段階(Foundation Stage)と5〜6年生のオリエンテーション段階(Orientation Stage)とである。基礎段階では、語学と数学の基礎の習得が目指され、授業時間の80%が、英語(33%)、母語(27%)および数学(20%)に当てられている。それ以外の20%は、道徳教育、音楽、図画工作、保健、体育に当てられている。母語を通じて教えられる道徳教育は、生徒にアジア的価値観の核心を理解させ、国民として自覚を促す点で特徴的である。 4年生終了時に学習能力に応じて、オリエンテーション段階のための振り分けが行われる。EM1、EM2およびEM3の3コースがある。1993年の5年生における各コースの生徒数の比率は、17%、75%、8%となっている。EM1およびEM2とも、英語、母語、数学、科学を共通して履修するが、EM1ではより高度な母語を学ぶ。EM3では基礎的な英語、初歩的な母語、基礎的な数学を学ぶ。 6年生終了時に、初等教育終了試験(Primary School Leaving Examination:PSLE)が国家により実施され、生徒の能力を見定めた上で、学習のペースと才能に最も適した、中学校でのコースが決定する。
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中等教育(中学校教育) ここでは、3つのコースが設けられている。スペシャル・コース(Special Course)、エクスプレス・コース(Express Course)およびノーマル・コース(Normal Course)である。ノーマル・コースは、さらに学術コース(Academic Course)および技術コース(Technical Course)に分かれる。 1993年の1年生における各コースの生徒数の比率は、7%、46%、47%となっている。 スペシャル・コース、エクスプレス・コースおよびノーマル(学術)・コースでの教育内容は、英語、英文学、母語、数学、科学、歴史、地理、美術工芸、デザイン、技術、家庭科、道徳教育、体育、音楽などである。また、ノーマル(技術)・コースでは、英語、初歩的な母語、数学、コンピューター操作等を学ぶ。 コースにより4年生終了時に受けるテストが異なる。スペシャル・コースおよびエクスプレス・コースの生徒は、シンガポール・ケンブリッジ「普通」教育認定(Singapore Cambridge General Certificate of Education "Ordinary" GCE・O)レベルの試験を受ける。この試験の成績により、中等後の教育における進路が定まる。また、ノーマル・コースの生徒は、「標準」教育認定(General Certificate of Education "Normal" GCE・N)レベルの試験を受ける。 なお、いずれのコースも4年間であるが、ノーマル・コースの中で成績優秀な生徒には、もう1年勉強する資格が与えられ、GCE・Oレベルの試験に備える。 1993年のGCE・NおよびGCE・Oレベル試験の合格率は、それぞれ、91%および81%となっている。
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中等後の教育
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大学 シンガポールには、大学は2つしかない。シンガポール国立大学(National University of Singapore:NUS)およびナンヤン工科大学(Nanyang Technological University:NTU)である。両校とも、入学するには、GCE・Aレベルの試験で一定の成績を修める必要がある。 NUSには、建築学、人文・社会科学経営学、歯科、工学、法学、医学、理学の八学部がある。 また、NTUには、会計学、応用科学、土木・構造工学、電気・電子工学、機械・生産工学、情報科学の6学部がある。 なお、NTUの一機関として、教員になるための専門訓練を行う国立教育研修所(National Institute of Education:NIE)がある。
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おわりに 二言語主義にみられる実学重視の風潮と、小学校から始まる厳しい選別・振り分けの下で、シンガポール成長と発展を担う人材が、これまで創出されてきたと言うこともできよう。 今後、前述のようなシステムの下で教育を受けてきた者たちが、シンガポールのみならず日本、アジア、さらには世界の将来にどのように関わり、また貢献していくのかを、今後とも注目していきたいと考える。 シンガポール事務所所長補佐 奈佐 晋
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