 
アーミデール・シティ・カウンシル(以下、アーミデール市)とデュメリック・シャイア・カウンシル(以下、デュメリック町)は、シドニー市街から北へ約400kmに位置し、デュメリック町(人口3,950人、面積4,168平方km)の中にアーミデール市(人口2万2,000人、面積34平方km)がぽつんと浮かぶ、変わった地理条件の自治体である。
2つの自治体が合併の可能性を検討し始めたのは1960年代に遡る。それは、先に述べた地理的条件や、それゆえに両自治体が共通の課題を抱えていたこと、両自治体の管理する施設などを有効的に利用することを狙ったためであった。その後も、周辺自治体や近郊の大学とともに、「自治体の効率的な運営のための統合」という問題を議論してきた。
1999年に州自治相の指導を受けて同年7月に両市町の間で合併協議を始め、境界委員会の審査を経たのち、12月には合併案が承認された。正式に成立したのは2000年2月21日である。
この「スピード結婚」の過程で、どのような課題に取り組んだのか、アーミデール・デュメリック職員のスティーブ・ゴウ氏にお話を伺った。それによると、2つの自治体が1つに統合される際に、予想された懸案事項とは、
- これまでの施策、運営方法を変えなくてはならないこと
- 議員数が減少することによって、民意が反映されなくなること(特に僻地)
- 職員の雇用数をどうするのか
であり、そして、これらの問題を次のように解決した。
- 専門家の参加を得て、コスト分析を行った。99年8月にワーキンググループを設置して、両自治体の職員間で協議を重ね、両自治体職員は「共同の意識」を育んでいった。この努力の結果、合併施行日の前後も住民サービスが寸断されることはなかった。
- 住民と議会間のパイプ役として、地域ごとに議員が長を務める地域委員会(Local Area Committees)を設置した。
- 最低3年間は職員の削減を行わないこととした。ただし、退職後の補充をしないなど、その後の緩やかな定員減を図ることとした。
2000年2月の合併後に、どのような変化があったのかの問いには、「財政的には、2つの自治体が合わさったことによって予算額が大きくなり、僻地で受けられる行政サービスに変化が起こった。つまりサービスの幅が広がり、これまでは予算不足でできなかった事業を実施できるようになった」との答えであった。
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