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南オーストラリアは、ワイン・大麦等の農業、自動車・家電製品等の製造業の比重が高い経済構造をもつ州であるが、全オーストラリアに比較して、経済成長率が低く、失業率が高い。州経済は、長期的には停滞傾向にあり、同州経済の上でも大きな比重を占めてきた自動車製造業についても自動車の関税の引下げ計画から先行き不透明感を高めている。
こうした中、アデレード市では、州政府、連邦政府、民間と協力して、21世紀に向け、観光、芸術、文化、学術、情報通信産業等の分野に力を入れている。以下では、観光、芸術の面を紹介したい。
アデレード市にとって、最大のイベントであるアデレード・フェスティバルは、1960年に始まり、偶数年の2月の末ごろから3週間にわたって、トレンス川沿いにある音響効果の優れたフェスティバル・センターを中心にして開催される。1996年に開催されたフェスティバルでは、22か所で422のイベントが実施され、1200人の芸術家が国内外から招待された。開催予算は、約1100万豪ドルで、アデレード市は、約60万豪ドルを補助し後援している。フェスティバルは、州芸術省のアデレード・フェスティバル・センター基金が中心となり、様々な機関、団体が関与している。経済効果を探る調査結果によれば、期間中の来訪者は、70万人を超え、10人に1人はヨーロッパ、アメリカ、日本等の海外からの観光客であった。海外からの観光客は、南オーストラリア州に平均17.7日滞在し、うちアデレード滞在は、15.0日であった。こうした内外からの訪問者の期間中の支出額は、約1600万豪ドルであった。1998年のフェスティバルは、2月27日〜3月15日の日程で開催される予定である。
また、奇数年には、アデレード市近郊のバロッサ・バレーで、ワイン祭りが開催される。アデレード市から車で北東に1時間ほどのところに位置し、日帰りで訪れることが可能であることから、アデレード市は、この観光の起点となっている。ドイツ系移民の田園地域で、50程度のワイナリーがあり、立派な屋敷も多く残されている。この地域で、イースターの連休にブドウの豊作を祝って、歌や踊りなどのイベントが開催される。また、近くには、ドイツ風の田舎町が保存されているハーンドルフなどもあり、観光客を魅了している。
そのほか、野生のアシカやコアラ等を間近で観察できるカンガルー島や、おしゃれなビーチ街のグレネルグが近郊にあるなど、アデレード市は南オーストラリアの観光の起点となっている。
アデレード市は、州の顔であり、観光・イベントのアクセスの中心的役割を果たしている責任を認識し、市の景観向上のため主要な並木通り等のリニューアル工事の実施、駐車場の整備・最先端の駐車場管理システムの導入、市の再生を目指して州政府と共同での「マーケティング委員会」の設置等、街の魅力増進に努め、21世紀の発展に向けて、現在、果敢に挑戦しているところである。
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