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海外の地方自治体
(財)自治体国際化協会ソウル事務所
所長補佐 天願 妙

世界花博覧会の田園都市 大韓民国 高陽市
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 高麗王朝の首都であった開城と朝鮮王朝以降の首都であるソウルの中間に位置し、古くから歴史の舞台として発展してきた高陽(コヤン)市。現在は都市計画の進んだ田園都市として知られており、1997年から3年おきに開催されている世界花博覧会は、今年で3回目を数え、国内外の注目を集めている。今後、アジア最大規模の国際展示場や観光文化団地などの建設を計画し、ますますの発展が期待されている。


概 況


地場産業



みどころ


高陽世界花博覧会の開催




概 況

 ソウルの西北部に隣接する高陽市は、東側が北漢山や老姑山を有する山岳地形、西側は漢江が流れる平野で形成されている。高陽市一山(イルサン)区の大化洞や注葉洞、馬頭洞一帯には古くから人が居住し、先史時代の石器や土器、青銅器など多くの遺物が出土している。

 朝鮮王朝時代(1413年)に高峰(ゴボン)と徳陽(トクヤン)という2つのまちが統合され、高峰の“高”と徳陽の“陽”をとって高陽と呼ばれるようになった。

 1992年には郡から市に昇格し、現在の高陽市となり、1996年に一山区と徳陽区が設置され、2001年から2区35洞を管轄している。

 高陽市は、もともと歴史の中心地としてその役割を果たしてきた。高陽市の面積は約267.24h、人口約82万9000人(2002年10月現在)、都市計画面積の90%が緑地帯で、一山区の中心部に位置する鼎鉢山(チョンバルサン)中央公園や徳陽文化体育公園、馬山近隣公園といった美しい公園と、よく整備された道路環境が調和し、韓国では「田園都市」として知られている。

 また、外郭循環高速道路や地下鉄、国鉄京義線鉄道などを通じて首都圏のどこにでも連結できる交通網を有している。

 高陽市には、韓国はもとよりアジアでいちばん大きい人口湖を持つ一山湖水公園がある。総面積30万m2で、美しく清潔な公園として全国的にも知られており、公園内には世界花博覧会展示館のほか、韓国唯一のトイレ展示館がある。トイレ展示館では野外と地下にある展示室において、韓国及び西洋のトイレの歴史と変遷史が展示されており、写真を通じて世界各地の珍しいトイレも見ることができる。そのほか、韓国の伝統公園、チューリップやバラ庭園、中国式パビリオンなどもつくられており、市民の休憩所等としても広く利用されている。また、天然記念物に指定されている丹頂鶴がよく飛来し、保護樹に指定されたエンジュ(槐花樹)も植えられており、子ども達の環境教育にも役立っている。

 このような背景から湖水公園は首都圏内でも名所として知られており、住民たちの憩いの場として親しまれ、毎年、世界花博覧会などの文化行事や祭り等が行われている。

(注) 区: 人口50万人以上の「市」に置かれる行政区画

洞: 日本の町に相当し、「特別市」や「広域市」の「区」または「市」の下に置かれる行政区画



地場産業

 花の都市と呼ばれる高陽市では、技術集約型の花卉産業を通した地域経済の振興に力を入れている。国内最大のサボテン団地があり、改良サボテン市場には、商品として世界屈指のものを提供している。そのほかバラや盆栽等の花卉の育成は、1999年に607万ドル以上の花卉輸出を記録するなど、世界の花卉産業において重要な役割を担っている。

 また、木彫物をはじめとする民俗工芸品や各種の装飾品等を生産しており、行政の開発支援等を通じて各種産業の振興に努めている。

 高陽市の特産として有名なのは家具で、大規模な高陽・一山家具団地においては数十種類の家具が常設展示・販売され、首都圏でも最高水準の品質及びサービスを提供しており、市においても地域活性化のためこれを支援している。



みどころ

(1)辛州山城(ヘンジュサンソン)

 徳陽の過去の地名、辛州(ヘンジュ)にある辛州山城が最初に建設されたのは百済の時代である。

 三国時代及び朝鮮時代の建築様式を随所に垣間見ることができ、城の西南には漢江が流れ、北東には急傾斜の尾根がある軍事的要塞であった。

 この山城が広く知られるようになったきっかけは、1593年2月(「文禄の役」の当時)の辛州大勝であった。

 すなわち、徳陽山の頂上に建てられた辛州山城において、12時間にも及ぶ戦いの末、わずか3000人の朝鮮軍が3万余の日本軍を退けた所として語り継がれている。また、歴史上初めて「灰袋投げ」という戦法が使われた場所としても知られており、女性が長いスカートと短いスカートを重ね着し、そのすその中に攻撃のための石を入れて運ぶなどして戦いに参加したといわれている。この時の勝利を記念して、今でも毎年祭りが開催されている。


(2)中南米文化院

 1994年に開館した中南米文化院は、30年間中南米で生活した外交官が自費で設立した博物館である。1994年に992m2の博物館を設立したのをはじめ、1997年には661m2の美術館のほか、野外展示場、彫刻公園、休憩所、記念品店などが建てられ、国内ではなかなか見ることのできない貴重な南米の遺物、収集品などが展示されている。また館内にあるレストランでは、南米の伝統的な食べ物を味わうことができ、作り方などの講習を行って、南米の文化を広く知らしめている。


(3)高陽サボテン試験場

 高陽市一山区に位置する高陽サボテン試験場(京畿道の施設)は、研究、開発だけでなく、各種公報活動等によって国内のサボテン商品の優秀性をPRしている。

 海外市場の拡大のため、高陽世界花博覧会や中国広東省花卉博覧会などの出展を通じて、高い輸出実績と安定した生産基盤を構築しており、毎年1万余名が視察に訪れている。



高陽世界花博覧会の開催

 高陽世界花博覧会は、1997年に韓国内の地方自治体として初めて開催した世界規模の花博覧会で、以後3年おきに韓国政府と高陽市の後援の下で行われている。

 きっかけは、高陽市の花卉産業が韓国の花卉総生産量の10%を占めていることから、さらに国内外の優秀な花卉業者の誘致により花卉交流を促進する目的で開催された。1997年の1回目の花博覧会では、130万人の観光客を誘致し、海外28カ国107余りの企業が参加して、280万ドルもの花卉輸出契約をもたらす成果を上げた。

 3年後の2000年、2回目に開催された高陽世界花博覧会は、その規模と参加国家、参加会社等において、花卉先進国であるオランダやドイツ、イギリスの博覧会に比べ遜色がないといわれており、湖水公園内には錦江山(クムスガンサン)を模した盆栽舘や子ども向けのキッドガーデンを設けるなど、一般客にも配慮している。

 一方、博覧会開催時には、高陽市内のすべてのタクシー1929台が花博覧会指定のステッカーを付け、乗客には花博覧会の紹介をしたり、600余名の市民ボランティアが参加するなど、地域の住民らも積極的に運営に参加した。

 過去2回の高陽世界花博覧会を成功裏に収めた高陽市は、以後韓国でも花のメッカとして知られるようになり、高陽市の地場産業である花卉産業の発展と地域の文化との調和に貢献し、花の観光資源化を通じて地域経済の振興にも寄与している。

 2003年は、4月24日から5月8日までの15日間、(財)高陽世界花博覧会組織委員会主催、韓国花卉協会、農協花卉全国協議会及び京畿花卉農業共同組合共催の下、一山湖水公園周辺において3回目の高陽世界花博覧会が開催された。今年のテーマは「花と人間の歓喜」で、室内外においてさまざまな展示やイベント等が行われた。

 まず、室内展示館では、世界中の花を展示した世界館や、韓国10市・道の花や花卉関連商品を展示した韓国館等があり、屋外は50品種1万2000本を取りそろえたバラ園(2600m2)、チューリップを主体にユリ、アリウム等20品種20万本の花が咲き乱れるチューリップ園(3700m2)、34種類のハーブと6種類の菊、合わせて3万本から成るハーブ・菊園(660m2)、自然をテーマに雄大な湖と盆栽をモチーフにした盆栽庭園(660m2)、韓国に自生する花2万本と草花類でつくった韓民族花の丘(300m2)等、色とりどりの花で埋め尽くされていた。

 参加国は35カ国230社で、日本からも高知県立牧野植物園をはじめとする5社が参加した。

 また、開催期間中は花の展示・観覧だけにとどまらず、フラワーパフォーマンスやペーパーフラワー作り等のイベント及び花卉関連業者と専門家らの技術交換や商談会も実施され、世界中の関心を集めた。



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