HOMECLAIR 刊行物海外の地方自治体アジア一覧|慶尚北道亀尾市
海外の地方自治体
ソウル事務所長補佐 能登 晶子(鳥取県派遣)

大韓民国 慶尚北道亀尾市
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 古き良き伝統が今でも残る慶尚北道亀尾(キョンサンプットクミ)市は新羅仏教の発祥地であり、朝鮮時代の儒教の基礎が築き上げられた場所としても知られています。1960年代後半に亀尾国家産業団地が造成され始めてから著しい経済発展を遂げ、2005年には行政革新最優秀地方自治体として大統領賞を獲得しました。

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亀尾市の概要
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飛躍する産業
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亀尾第四団地
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亀尾市の国際交流
―友好交流都市
を探しています

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おわりに
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亀尾市の概要

 慶尚北道の西部地域に位置する亀尾市は、面積616km2とソウル特別市より少し広く、人口37万4614人、2邑6面19洞注1の行政区域から成り立っています。毎年2.5%(約1万人)の人口増加を見せており、市民の平均年齢が31歳という非常に若い都市です。交通面では京釜線鉄道、京釜高速道路が通過し、2008年には京釜高速鉄道が亀尾圏域に整備され、高速鉄道(KTX)停車駅の完成により、人・物流の拠点地として機能することが期待されています。また、地理的には、公園管理分野では国内初のISO14001を取得するなど韓国の自然保護運動の発祥の地となった金烏山(クムオサン)道立公園、天生山(チョンセンサン)、太祖山(テジョンサン)に囲まれた洛東江(ナクトンガン)が市内を南北に流れ、豊かな水資源を活用した農工業発展の原動力となっています。

 亀尾市の財政規模は5502億ウォン(一般会計3714億ウォン、特別会計1788億ウォン)と財政自立度注2が54.1%(2005年12月現在)と財政的に豊かな都市であり、亀尾市内に造成されている亀尾国家産業団地を中心に年間生産額49兆ウォン、2005年には305億ドルの輸出を行い、韓国の総輸出額(2646億ドル)の約11%を占めています。

(注1) 邑・面は地域の規模・形態からいえば、それぞれ日本の町・村に相当するが、基礎自治団体である市・郡の下部行政単位である。また、洞は市の下部行政単位である。
(注2) 財政自立度(%)=(地方税+税外収入)÷一般会計歳入総計
:韓国の財政分析において多用されている、日本の「自主財源比率」とよく似た指標。



飛躍する産業

 亀尾国家産業団地は1969年、政府の輸出奨励政策により造成が始まりました。1972年に第1団地(35万坪)、1988年には第2団地(69万坪)、1987〜1993年には第3団地(145万坪)が造成されました。初期の生産製品は白黒テレビ、ナイロンなどの繊維製品が主でしたが、1980年代からはカラーテレビ、半導体、ブラウン管、通信装備などに変化し、現在はTFTLCD(薄型トランジスタ液晶ディスプレイ)や移動電話、デジタルテレビなどに推移しています。団地にはサムソン、LG電子、その関連企業など700以上の企業が入居し、約7万人の労働者が勤務しています。また、1996年からは総事業費6020億ウォンをかけて、第4団地(190万坪)を造成し、亀尾国家産業団地は内陸最大の産業団地となっています。

 さらに亀尾市は市内にある金烏工科大学との官学提携による亀尾産業技術情報センター(KICIT)を設立し、亀尾地域中小企業の新技術開発に必要な国内外の最新先端産業技術情報の提供、優秀技術の資産化など積極的な支援も行っています。また、既存団地の高度化支援、研究開発と先端技術開発機能を支援する革新クラスターを構築するため、亀尾電子技術研究所(GIET)を設立し、企業支援を行っています。




亀尾第四団地

 亀尾第四団地は1996年から着工に取りかかり、電子、情報通信、半導体など15種の先端産業や環境保全の基準を満たしている企業に限り入居を許可しています。韓国水源公社(土地分配)と韓国産業団地公団(団地管理)、亀尾市(総括管理、企業誘致支援)の3団体が体系的に管理を行っています。第四団地は大邱・慶尚北道地域唯一の「外国人企業専用団地」、電子情報通信産業の技術集約型未来産業の拠点化を目的とする「デジタル電子情報技術団地」、中小企業、ベンチャー企業を対象に土地を安く提供する「国民賃貸産業団地」の3つに分けられ、企業にとって最適な環境が整備されており、2005年3月現在70%まで完成しています。また、定住しやすい団地を目的に、第四団地の10%を商業・住宅用地、34%を学校・公園などの公共施設用地として分譲する計画となっています。

 外国人企業専用団地には既に外国企業が入居を始めており、旭硝子、東レなどの日本企業も進出しています。また、日本の沖電気と韓国のLG電子が共同出資して設立された半導体メーカーLUSEMも入居しています。




亀尾市の国際交流―友好交流都市を探しています

 亀尾市には現在5000人の外国人労働者が住んでおり、外国人労働者の生活を支援する福祉基盤の整備を進めるため、亀尾市に外国人福祉支援チームを設け、通訳支援、医療支援などを行っています。現在、日本の滋賀県大津市をはじめ、中国・遼寧省藩陽市、湖南省長沙市、オランダ・アイントホーフェン市、メキシコ・メキシカリ市、キルギス・ビシケク市の5カ国六都市と姉妹提携を結び、行政交流にとどまらず、文化交流、青少年交流など活発な国際交流が行われています。

 今後、第4団地の入居が完了すると、3万人の労働者創出と10万人の人口増加により亀尾市は人口50万人を突破する見込みであり、今後大きな経済成長が期待されています。その一方で、労働者が亀尾市に定住することが少なく、3〜4年の周期で労働者が入れ替わることから人口の流動が激しいことも問題として浮き彫りになっています。亀尾市はこのような問題に対処するために、人口50万人都市で、住みよいまちづくりに積極的に取り組んでいる日本の自治体と交流を希望しており、定住支援対策や住みよいまちづくりなどに対して地方自治体がどのように対処しているかについて、技術的・行政的な面での情報交換・交流をしたいと考えています。




おわりに

 亀尾市一帯は古代伽耶(加羅)文化と新羅仏教が初めて伝わった場所であり、朝鮮時代に編纂された地理書「八域志」には「朝鮮人材の半分は嶺南(慶尚北・南道地域)から、また嶺南人材の半分は一善(現在の亀尾市善山)である」と書かれているほど、昔から著名な儒教学者、多くの憂国の志士、セマウル運動の創始者である朴正煕(パクチョンヒ)大統領などの人材を輩出している地域でもあります。昔から農産物が多く、山水が清らかで、豊かな人情味があることからきているのだそうです。

 今回の取材に当たり、亀尾市副市長金聲經(キムソンギョン)氏をはじめ投資通商課の皆様、取材に同行してくださいました投資通商課投資誘致主任朴勍ミン(パクキョンミン)氏には大変貴重な時間をいただきました。この場をお借りしてあらためて感謝申し上げます。




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