HOMECLAIR 刊行物特集特集:JETがつなぐ日本と世界


特集

特集1:JETプログラムの現状と今後の展開
1-3. 外国語指導助手の活用について



文部科学省初等中等教育局国際教育課長 大森 摂生


 国際社会の学びの窓


 小学校段階における外国語活動について


 ALTの質の向上について




 ●国際社会の学びの窓

 文部科学省は、5ヵ年で「英語が使える日本人」を育成する体制を確立すべく、2003年3月に、英語教育の改善の目標や国として取り組むべき施策を「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」(以下、「行動計画」)としてまとめた。

 同計画の中の一つのポイントとして「英語の授業の改善」が揚げられ、「英語の授業の大半は英語を用いて行い、生徒や学生がコミュニケーションを行う活動を多く取り入れる」ことが目標の一つとされている。

 外国語指導助手(ALT)の活用は、生きた英語を学ぶ貴重な機会であるとともに、外国語や外国文化などに親しみ、自分の英語がネイティブスピーカーに通じたという喜びと英語学習へのモチベーションを高めるなどの意味で、大きな意義を有すると考えており、中・高等学校の英語の授業におけるネイティブ・スピーカーの参加という「行動計画」の目標達成のため、文部科学省としても、JETプログラムを推進してきたところであ

 2007年には4707人(7月1日現在)のALTが招致され、日本全国の小中高等学校の外国語授業の補助などの業務において活躍している。児童生徒たちは、外国語の授業などにおけるALTとの会話を通じて外国語を学ぶとともに、授業以外でも、自分の知っている外国語でALTに話しかけるなどの積極的な姿も見受けられ、外国語教育の充実とともに、国際社会の学びの窓としても生かされていることがうかがえる。

▲ TOPへ


 ●小学校段階における外国語活動について

 多くの小学校では、2002年度から実施されている「総合的な学習の時間」の中で英語活動が行われている。それにおいては、児童が異なった言語や文化などに触れ、興味や関心を持つことが重要であることから、ネイティブ・スピーカーなど高い英語力を有する者の活用が重要であり、JETプログラムでは、2002年度に「小学校専属ALT」制度を設けた。以降、2007年度には、従来、都道府県が実施してきた小学校専属ALTの選考試験は廃止の上、契約団体が小学校勤務に耐え得る能力を認定したJET参加者については、随時、小学校専属ALTとして活用できるものとし、小学校における英語活動の推進を図ってきたところである。

 現在まで、中央教育審議会教育課程部会において、小学校段階における外国語活動についての審議が行われている。今後、本年度後半に予定されている答申に向け、さらに審議が行われていくこととなるが、指導者については、「学級担任を中心としてALTや英語が堪能な地域人材などとのティーム・ティーチングを基本とすべき」との考えが示されている。こうした方針に基づき、小学校段階における外国語活動が本格的に実施される場合には、JETプログラムによるALTの招致人数の拡大および質の向上などについて、総務省、外務省などと連携を図りつつ、JETプログラムの一層の充実を図っていく所存である。

▲ TOPへ


 ●ALTの質の向上について

 現在、わが国の小中高等学校の外国語の授業などにおいては、JETプログラムによるALTのほか、都道府県・指定都市・市町村等教育委員会などが、民間の派遣会社と契約を結びJETプログラムによらない外国語指導助手(いわゆるnon‐JETALT)を学校教育において活用するなどの事例も見受けられる。

 2006年度に文部科学省が公立の小中高等学校などを対象とした小学校英語活動実施状況調査および英語教育改善実施状況調査結果では、都道府県・指定都市・市町村が独自に採用・雇用したALTの数は小学校で2796人、中学校で2520人、高等学校では635人で計5951人に上り、JETプログラムによるALTの5057人(2006年7月1日現在)を上回るという結果であった。

 現在、JETプログラムにより招致したALTに対しては、@すべての新規来日者を対象とした「来日直後オリエンテーション」、A前年度来日したすべての再契約者を対象とした「再契約予定者研修」、Bすべての参加者を対象とした中間期研修などを実施している。

 これらの研修の中で、文部科学省が実施している外国語教育に関する内容についてのみ触れれば、@では、日本における「学校教育制度、英語教育等についての行政説明のほか、パネルディスカッションおよび日本人英語教員と現役ALTとのティーム・ティーチング模擬授業などを実施し、ALTとしての役割の認識、Aでは、「職場の人間関係」「英語指導法」などの講義を実施し、日本の文化を通じ、日本人の物の考え方について説明することにより、職場での職務環境の充実・改善、より高度な英語指導に関する知識の習得、Bでは、日本人英語教員も研修に参加することで、英語の授業におけるティーム・ティーチングをより円滑なものとすることを図っている。

 文部科学省としては、今後、研修の内容・あり方について、今後の外国語教育のすう勢などを踏まえた上で、関係省庁と連絡調整を図り、JETプログラムが各都道府県において、より効果的に活用されるよう努めていく所存である。

 各都道府県におかれては、JETプログラムにより招致したALTに対しての研修のほか、non‐JETALTに対しても、学校教育研修を実施するなど、必要な知識・情報を提供することにより、学校教育における外国語の授業においてより円滑なティーム・ティーチングが実施されるよう努めていただきたい。

 JETプログラム以外のALTの雇用形態については、2005年2月17日付け文書(以下、「文書」)にて各都道府県・指定都市教育委員会宛通知したところであるが、ALTの雇用の問題については、新聞報道で取り上げられたこともあり、再度、要点について整理させていただきたい。
@外国語指導助手の雇用形態についての文部科学省および厚生労働省の指針については、文書にて通知した後、特に変更がないこと。
A文書は「請負契約、委託契約」が直ちに違法となるとの趣旨ではない。請負契約、委託契約を締結する際には、地方労働局に相談の上、指揮・命令系統の有無について確認の上、適正な契約を締結していただきたい旨の通知であること。

 各都道府県・指定都市・市町村教育委員会におかれては、以上を踏まえ、JETプログラム以外のALTの活用に際しては、適正な契約を締結するようお願いしたい。

 今後、上述した小学校段階における外国語活動についての審議が行われ、答申が出される予定であるが、現検討素案の内容を踏まえた答申となった場合には、各都道府県・指定都市・市町村等においては、ALTの一層の活用が必要になると考えられる。JETプログラムに関しては、今後とも3省および(財)自治体国際化協会でALTの招致人数の拡大および質の向上に取り組んで行くこととしており、より一層のJETプログラムの活用をお願いしたい。

▲ TOPへ


← 一覧に戻る
JET 国際協力支援 姉妹自治体 刊行物 人材の育成 海外活動支援・その他 サイトマップ HOME