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Vol.174 ダイバーシティと観光振興

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.174(2017年3月17日)
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□                   ~ ダイバーシティと観光振興 ~

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                            T O P I C S               
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【記事】違いを受け入れるためのダイバーシティ対策

【記事】2016年の訪日ベトナム人、過去最高の23.3万人
    ~ 今こそリピーター獲得の取り組みを! ~

【記事】英国における宿泊税導入の可能性

【記事】シンガポールのギャンブル事情と効果的な依存症対策

【INFO】クレア経済アドバイザーの視点~輸出を知ろう~

【REPO】スタッフだより  心のバリアフリー

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【記事】違いを受け入れるためのダイバーシティ対策
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ヨーロッパでは、2000年代にはEUに新たに加盟した中欧・東欧からの移民が、
近年では中東からの移民が増えています。ヨーロッパの多くの国では人口減少が
進み、移民労働力は無くてはならないものになりつつある一方で、宗教や民族の
違いによる地域の分断、貧困、教育格差の解消や治安の維持などの課題も山積し
ています。

2月にオランダ・ロッテルダムで開催されたダイバーシティ(多様性)に関する
会議で発表された事例のひとつに、中学生を対象とした教育プロジェクトがあり
ました。欧州14ヶ国が参加するこのプロジェクトでは、ダイバーシティをさまざ
まな角度から学ぶことを目的に授業を3段階に分け、1つめの「自分や家族を理
解する」段階で、生徒は自分自身や家族の情報を自由に書き出し、2つめの「ク
ラスメートを理解する」段階では、それを発表し、発表を聞いた生徒は感想を提
出します。そして最後の「地域を理解する」段階で、グループで地域について
フィールドワークを行い、その結果を発表します。

それぞれの段階で行われることはさほど珍しいものではないかもしれませんが、
自分と相手を比較すること、生徒が自らを発見すること、身近なものから少しず
つ視野を広げていくことなどのポイントにより、生徒のダイバーシティに対する
理解が総合的に深まるように構成されていたのが印象的でした。実際の効果とし
て、生徒は、自分とクラスメートについて、相違点よりも共通点を多く見つけ出
せるようになったほか、フィールドワークでは、地域の課題について地方自治体
に提言するに至った生徒もいたそうです。

そのほか、アメリカ・シカゴの事例として、安価な賃貸住宅や中程度の賃貸住宅、
高価な分譲住宅を同じ割合で1つの集合住宅の中に組み込み、さまざまな所得層が
共存できるようにする事業なども紹介されていました。

この会議を通じて、欧米においては「相手との共通点と相違点を理解するための
環境を提供すること」がダイバーシティ対策の根幹にあるのだと感じました。日
本では「協調性」や「同じであること」が重視されがちですが、欧米におけるダ
イバーシティの取り組みから学ぶことができる点もあるのではないでしょうか。

                   (ロンドン事務所所長補佐 高桑)

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【記事】2016年の訪日ベトナム人、過去最高の23.3万人
    ~ 今こそリピーター獲得の取り組みを! ~
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日本政府観光局(JNTO)が2017年1月17日に発表した訪日外客数の統計によると、
2016年に日本を訪れたベトナム人は23.3万人で過去最高を記録し、年計で初め
て20万人を超えました。JNTOによると、昨年2月の数次査証の発給要件緩和や、
チャーター便及びLCCの新規就航が訪日意欲を喚起したこと、現地旅行会社に向
けた取り組みを強化したことが、ベトナムからの訪日外客数の増加に寄与した
とのことです。

また昨年12月15日から、在ベトナム日本国大使館は国内旅行代理店窓口での日
本入国査証の申請受付制度を開始しました。これにより、地方に居住する査証
申請者は在ベトナム日本国大使館や在ホーチミン総領事館にわざわざ足を運ぶ
必要がなくなるほか、査証申請が集中する時期の申請者の待ち時間も大幅に短
縮され、サービス向上につながり、さらなる訪日外客数の増加が期待されてい
ます。

その一方、今年初めに在ホーチミン総領事館を訪問した際に、担当領事は「ベ
トナム人のリピーターを増やすために、今後は日本文化の理解と関心を高める
取り組みが一層重要になる」と語っていました。訪日ベトナム人は初訪日の割
合が高いため、潜在的なリピーター獲得のチャンスとも考えられます。日本各
地には、世界に誇れる文化がたくさんあります。インバウンド観光のさらなる
拡大に向け、買い物や日本食のほかに、日本の地方の文化の魅力に触れ、興味
を持ってもらう機会を提供することが大事です。
 
                 (シンガポール事務所所長補佐 松田)

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【記事】英国における宿泊税導入の可能性
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先日、ロンドン市長の諮問に応えてロンドン財政委員会が提出した、英国政府
からロンドンへ移譲されるべき権限のパッケージを示した報告書の中で、所得
税や付加価値税にかかる権限と並んで、宿泊税についても言及がありました。
この報告書は、Brexit後もロンドンが国際的な都市として繁栄していくために
は何が必要かという観点からまとめられたものです。

英語ではTourist taxやAccommodation tax、City tax、日本語では観光税や宿
泊税などと呼ばれるこの種の税金は、宿泊費に課される付加価値税とは別に、ホテ
ルなどに宿泊した際、宿泊日数に応じて課されるものです。ヨーロッパでは、
近年、パリやベルリン、ローマ、アムステルダムなどの各国首都、また、ドレ
スデン(ドイツ)、ザルツブルク(オーストリア)、ミラノ(イタリア)など
の地方都市でも導入されています。

ロンドンの年間観光客数は約2,880万人(2014年)で、多数の観光客は様々な経
済効果や社会効果をもたらす一方、市内の交通や清掃、警備などに追加コストを
生じさせています。報告書では、一泊あたり2.5ポンド(約350円)の宿泊税を
導入した場合、その税収は年間1億2百万ポンド(約143億円)にのぼるという試
算と、それらを無料で楽しめる施設やイベントにも充てることで、より一層ロン
ドンの観光振興を図るという考えを紹介しています。

報道によると、世界遺産の街であるバースや、スコットランド第二の都市であ
るグラスゴーも宿泊税には関心を示していますが、英国ではまだ導入例はあり
ません。導入されていない背景には、英国では地方自治体に独自に税を創設す
る権限がないという制度的な課題や、高い付加価値税率、観光客の意欲減退な
どを理由に反発する経済団体やホテル業界の存在などがあります。ヨーロッパ
では導入が進む宿泊税ですが、英国では導入されるのかどうか、今後の動向に
注目です。

                   (ロンドン事務所所長補佐 高坂)

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【記事】シンガポールのギャンブル事情と効果的な依存症対策
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1 シンガポールのギャンブル事情
現在、シンガポールで合法とされているギャンブルは、カジノのほか、競馬、
サッカーなどのスポーツ賭博、ジャックポッドがあり、その一方でオンライン
賭博は非合法とされています。

シンガポールでは2010年にマリーナベイサンズとリゾート・ワールド・セン
トーサの2つのカジノが開業し、現在ではカジノの収入は6,500億円にも上って
います。カジノ単体の収入でシンガポールのGDPの1%相当の規模であり、開業
から数年のうちに一大産業となっています。

2 ギャンブル依存症対策
非常に大きな経済効果があり、今では観光立国シンガポールを支えているカジノ
も、導入時にはギャンブル依存症や治安の悪化などへの懸念から、十分な議論が
重ねられてきました。

カジノ導入に合わせて、規制法制が整備され、あわせてカジノ規制庁(CRA)の
ほか、政府関係機関として国家依存症管理サービス機構(NAMS)、国家賭博問題
対策協議会が設置されました。
依存症対策としては、非常に少ない費用で治療が受けられることや、オンライン
での相談体制の構築、啓発活動などがあります。

また、特に注目される対策はカジノ入場禁止・制限プログラムです。シンガポール
では家族や自らの申請により賭博場への入場を禁止、制限することができます。
このように、カジノの健全かつ安全な施行を確保し、社会や人々をカジノ犯罪やカ
ジノに起因する有害な影響から守る対策が次々と講じられてきました。

実は、シンガポールには、カジノ以外でも一部のギャンブルは100年以上にわたり
認められてきた歴史があり、カジノ導入前からギャンブル依存症の患者も存在して
いましたが、限られた人員で対応してきました。しかし、カジノの導入によりギャ
ンブル依存症の対策をしっかりととる体制が構築されました。

このような対策の結果、従前懸念されていたようなギャンブル依存症患者の急増は
起こりませんでした。カジノを核とするIRの合法化とセットで行われたギャンブル
依存症対策が有効に機能し、むしろ依存症患者が減少しつつあるのがシンガポール
の現状です。

煌びやかな世界の「影」の部分の対策を両輪で実施していることが、今日のシン
ガポールにおけるカジノの成功といえます。
ギャンブルもお酒も嗜む程度がちょうどいい・・・? 

                  (シンガポール事務所所長補佐 新居)

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【INFO】クレア経済アドバイザーの視点~輸出を知ろう~
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 近年、地方自治体の海外における経済活動が多くみられますが、輸出はどの
ようにして行うかご存じですか?アドバイザーが分かりやすく説明します。    
 < http://www.clair.or.jp/j/economy/docs/yushutsu3_1.pdf >

経済アドバイザーは、地方自治体が実施する海外経済活動を支援するための
クレアの専門家職員です。これまで、自治体の皆さまから、販路開拓や観光客
誘致などに関するご相談をいただき、海外での経済活動事業にお役立ていただ
いています。

お電話・メール等でお気軽にご相談ください!!
お問い合わせ先はこちら
< http://www.clair.or.jp/j/economy/3/index.html >
                         (担当:経済交流課)

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【REPO】スタッフだより 心のバリアフリー
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3月13日にホストタウンミーティング~Beyond 2020~という自治体による報告
会に参加させていただきました。2020年東京オリンピックレガシーとして何を
残すかという貴重な話でした。1964年の東京オリンピックレガシーはインフラと
言われていますが、2020年に向けてパラリンピックへの関心と理解を深めるこ
と、そして、国際交流を中心にして進めていく自治体が多いそうです。
病気・病弱の子供たちのための支援学校でALTとして働いた経験があり、あのころ、
生徒をどう支援すればいいのか英語を教えながら、毎日考えました。クレアでは
国際交流についてよく書いていますが、ユニバーサルデザインの街づくりや心の
バリアフリーの取組にも注目していきたいと考えています。

          (企画調査課プログラムコーデネーター ジャッキー)

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
HP < http://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741

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総務部企画調査課
電話:03-5213-1722 Fax:03-5213-1741
Email:kikaku@clair.or.jp

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