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多文化共生

多文化共生関係資料

東日本大震災支援活動記録

在住外国人による支援活動

■シャ・ケビン 

 

<インタビューイー紹介>
 シャ・ケビンさん
 カナダ出身。2010年8月に来日。福島県在住。
 福島県及び(公財)福島県国際交流協会の国際交流員(CIR)として活躍中。

 

 

東日本大震災ではどんな活動をしましたか?

 震災の時、最初に思ったことは福島県内のJETの安否でした。その時、携帯電話はなかなか繋がらない状態だったので、FacebookとG-mailを利用し、皆に自分の現状(どこにいるのかや誰と一緒にいるのかなど)を書き込んでもらうようお願いしました。皆が協力してくれたため、3日間で県内150人のJETの安否を確認することができました。その後、連絡を取れなかったJETに直接電話で連絡しました。また、毎日ニュースを見ても状況が分からない外国出身者のために、Facebookで情報発信をしながら、外国出身者から電話の問い合わせの対応などをしました。
 当時メールと電話で問い合わせが一番多かったのは、やはり原発のことでした。外国出身者はテレビの映像を見て、どうしたらいいか分からずにいたので、僕もできるかぎりに手に入れていた情報を流しました。ただし、避難すべきか、避難しなくていいかは個人の判断だということを表明しました。
 その後、様々なボランティア活動に参加し、避難所で手伝ったり、海岸のほうでがれきを拾ったり、幼稚園と孤児院でイベントをやったりしました。
 現在はボランティア活動を続けながら、毎月ホームページで最新の県内情報を提供しています。

 

どんな思いで活動しましたか? また、活動の際に難しいと感じた点、助けになったことは何ですか?

 震災の直後はたくさんの情報が流され、日本と海外の報道の内容がかなり異なっていたので、どれが正しいか、どれが不正確か、とても混乱していました。しかし、今回の震災で一番助けになったのは、福島県のJETコミュニティの団結力でした。福島県では、震災前に150名も配置され、一人一人の安否を確認するには大変時間がかかります。けれども、震災の時、皆は最新情報を流しながら、お互いに助け合い、(十数名のJETが1人のJETのアパートで宿泊することもありました)皆、安全に避難することができました。そのおかげで、たった3日間で皆の安否を確認することができました。

 

支援活動を通じて感じたこと、気づいたことを教えてください。

 地震の後、一番痛感したことは、外国人住民は日本人のように地震の知識がないため、地震があったら何をすべきか、避難所はどこにあるか、ということが全く分からないということです。また、外国人住民への行政の支援体制が不十分ということでした。震災の時、全てのメディア報道等は日本語で、日本語が分からない外国人住民は原発の映像を見て、パニック状態になってしまいました。その上、海外で大げさに報道されたニュースを見た家族や友人たちからのプレッシャーもあって、皆もだんだん判断することができなくなってしまいました。
 避難所のことを全く知らなかった外国人住民がたくさんいて皆とても大変な思いをしたので、普段の生活に地震に関する講座や(地震が来たらどう対応するか、住居の近くにある避難所を確認すること、緊急バックパックの準備など)防災訓練などを行うべきだと思っています。

 

今後はどんな活動を予定されていますか?

 今後は震災の経験を生かし、外国人住民のためのサポートネットワークの構築や情報提供などをしようと思います。そして、普段から地震についての知識、語彙、防災訓練などの講座を行いたいと思っています。そうすることで、地震が起きたらどのような対応をとるかも分かるようになるからです。
 もう一つは福島県の子供たちへの支援も不可欠なことだと思います。福島県は復興への道を歩んでいますが、完全に回復されたとは言えません。これからも子供たちがもっと元気になれるよう、きちんとケアをし、私達大人は責任を持ち、もっと色々な工夫しなければなりません。

 

このサイトを見ている人にメッセージをお願いします。

 震災の時は、「日本人」とか「外国人」とかではなくて、皆は同じく「人間」です。災害の時だからこそ、お互いを助け合うことは「当然」だと思っています。震災からもう少しで2年になりますが、今でも多くの人々に「福島は住めるの?」や「早く出たほうがいいよ」などと言われています。しかしながら、福島県に来てからたくさん優しい笑顔をもらった僕にとって、できるかぎりに福島県の復興のために小さな力でも一生懸命に尽くしたいと思っています。
 今年から福島県の会津地方で撮影されたNHKの大河ドラマ「八重の桜」の放送が始まり、福島県は確実に復興への道を進んでいます。皆様も是非このドラマを見て、自分の目で福島県の現状を見に来てください。福島県民にとって、これは終わりではなく、「福島から始めよう」という世界に向けたスローガンです。

 最後に福島県では、いくつのボランティアグループがあって、様々な活動で活躍しています。 JET参加者が主催しているHeart 4 HaragamaとEyes for Fukushimaは主に子供の支援を行っています。バスケットボールチャリティ大会、野球観戦、モチ作り、クリスマスパーティーなど、様々なイベントを企画しました。このようなイベントを通じて、子供たちの笑顔を取り戻すことを目指しています。その中、福島県のチャリティグループを紹介したいと思います。Eyes for Fukushimaという団体は義援金を集めるため、Tシャツを販売しています。全ての売上は子供たちの支援金や地域のNPOなどに寄付しています。もしよければ、是非ホームページをご覧ください。

http://fukushimatshirt.blogspot.jp/
For more details, please visit
https://www.facebook.com/groups/128322477250963/?fref=ts

 

 岩手県、宮城県、福島県は必ずもとの元気を取り戻すことと信じています。がんばっぺ!

 

幼稚園での餅つき大会の様子
 
 クリスマス会の様子
 
 一日キャンプ(One day camp for kids)の様子

 

 

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このページに関するお問い合せ先
多文化共生部多文化共生課
Tel :  03-5213-1725
Fax :  03-5213-1742
Email : tabunka@clair.or.jp
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