子どもの権利

子どもの権利にまつわる課題

子どもたちを守るための取り組みは、政府・自治体や関係機関で行われています。それでも、すべての問題が解決できるわけではありません。外国人の子どもが出生後、よく直面する問題がどのようなものかを認識しておくことが第一歩です。

子どもの権利条約

子どもの権利条約策定の経緯

「子どもの権利条約」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。児童の権利に関する条約とも言われ、世界中の子どもたちの基本的な権利を守るための国際的な条約です。基本的な権利というのは、大きく分けて「生きる」、「育つ」、「守られる」、「参加する」権利とされており、現在では、日本を含む193の国と地域が締約しています(2009年5月現在)。

子どもの権利条約の経緯

・1948年 世界人権宣言
「すべての人間は平等であり、それぞれが同じ権利を持つ」と宣言されました。

・1959年 児童の権利宣言
「子どもは子どもとしての権利をそれぞれもつ」と宣言され、このとき、宣言だけでなく、実際に効力のある取り決めができないかと考えられはじめました。

・1978年 子どもの権利条約の草案がポーランド政府から提出されました。

・1989年 国連総会で採択され、1年後の1990年に発効しました。

・1994年4月22日 日本が条約を批准

<引用文献等>
日本ユニセフ協会
http://www.unicef.or.jp/index.html
外務省「児童の権利条約(児童の権利に関する条約)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun_1.html
外務省「児童の権利に関する条約(全文)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html

条約を批准した国は、2年以内に1回、その後は5年ごとに自国の取り組みについて国連の「子どもの権利委員会」に報告する義務があります。日本政府も条約の規定を遂行するべく様々な取り組みを行い、報告をしています。

<日本政府の報告>
外務省「児童の権利条約(児童の権利に関する条約)」第1回〜第3回政府報告
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/index.html

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ハーグ条約

ハーグ条約の概要

オランダ・ハーグで締結された条約のことを総称してハーグ条約と呼びます。
多文化共生の分野でいう「ハーグ条約」とは、1980年10月25日に採択され、1983年12月1日に発効した多国間条約である「国際的な子の奪取の民事面に関する条約(Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction)」を指すことが多いです。

○ ハーグ条約の内容

ハーグ条約は、16歳未満の子どもに適用される条約で、基本理念は、子どもの利益を最優先することです。そのため、違法に子どもが海外へ連れて行かれる場合に「その子どもを被害から守ること」、違法な連れ去りが起こった場合に「定住国(常居住地)に子どもを返還すること」、「子どもと親の面会権の履行を保護すること」を目的としています。

では、「違法な連れ去り」とは、どのようなことを指すのでしょうか。条文では、第3条で、「子どもの定住国において親権・面会権が定められていて、子どもを海外に連れ出すことで、この権利を侵害する場合」として、違法性の内容を定義しています。

この条約の目的は、あくまで子どもを守ることです。そのため、締約国同士でも、子どもを返還することで、「子どもが精神的・身体的な被害を受ける」、「生存が困難な状況に置かれる」など、子どもの人権や基本的権利を害する恐れがある際には、状況に応じて子どもの返還が義務付けられない場合があります。

<引用文献等>
ハーグ国際私法会議(HCCH)「Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction」全文(英文)
http://www.hcch.net/index_en.php?act=conventions.pdf&cid=24

日本の現状

日本は、これまでこの条約を批准していませんでした。そのため、海外に居住している外国人と日本人の夫婦が離婚して、外国人の伴侶が親権や面会権を得ているにも関わらず、日本人が子どもを日本に連れて帰ってしまったような場合は、外国人の伴侶が国際条約を根拠に子どもの引き渡しや子どもとの面会を求めることが困難でした

同様に、日本から子どもが連れ出された場合にも、条約を根拠に子どもの引き渡しや子どもの連れ去り先の調査などを求めることができませんでした。ハーグ条約の締約国同士の場合、この条約を根拠に子どもの引き渡しや子どもとの面会を求めることができます。このため、日本政府は欧米諸国から、批准を要請されている状況にありました。

外務省では、2009年12月に「子の親権問題担当室」を設置し、同室では、条約締約についてウェブ上でアンケート調査を実施するなど、検討を続けた結果、2011年5月には加盟方針を決定し、条約加盟に必要な法案を取りまとめることとなりました。

<引用文献等>
外務省「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に向けた準備について」
外務省 HP
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201105/__icsFiles/afieldfile/2011/05/20/0520Hague_Convention.pdf

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