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外国人学校を知る

外国人学校とは

外国人学校とは、外国にルーツを持つ子弟を対象として、教育を行う学校の総称ですが、欧米系のインターナショナルスクールや中華系の学校、朝鮮半島出身者による在日コリアンの民族学校など、様々な学校があります。近年では、インド人の子どもたちの学校や南米出身の子どもたちの学校もあります。

各地で増えている外国人学校の現状

外国人学校を詳しく見ていくと、国際学校(インターナショナル・スクール)や特定の国名を付した学校(朝鮮、韓国、ブラジル、インド等)があります。特定の国名を付した学校の中には、その国や民族のルーツを持った子どもを優先的に受け入れている学校と、子どものツールに関係なく児童生徒の入学を許可している学校があります。これらの中には、本国政府から認定や財政支援を受けている学校もあります。学校では、本国の言語や文化を学ぶだけでなく、本国の言語を用いて教科学習を行っています。

また、日本の学校のカリキュラムを母語で教え、日本の授業を多く採り入れている学校もあります。これらの学校で学んだ児童生徒たちが今後日本の社会で生活し、進学し、母国と日本との架け橋となることが期待されます。

<引用文献等>
川村千鶴子 編著 (1998)、『多民族共生の街・新宿の底力』明石書店
川村千鶴子 編著 (2008)、『「移民国家日本」と多文化共生論』明石書店
川村千鶴子、近藤敦、中本博皓 編著 (2009)、『移民政策へのアプローチ』明石書店
文部科学省「外国人学校の現状について」(平成17年5月)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/06070415/005.htm
※文部科学省「外国人学校の現状について」では、各種学校として認可された学校が調査対象となっていますが、「日本の中の外国人学校」(月刊『イオ』編集部 明石書店 2006)には、「全国学校総覧2006年版」(原書房)、文部科学省発表資料、各国駐日大使館および領事館や各学校への調査をもとにした、「外国人学校リスト(2007年1月)」が掲載されています。

では、外国人学校は日本ではどのように位置づけられているのでしょうか。外国人学校の日本での地位は次の3つの種類に分類することができるといわれています。

1.学校教育法第1条に基づく「一条校」
学校教育法(昭和22年にできた学校と教育課程について定めた法律)
第1条 この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園とする

いわゆる日本の学校は、学校教育法第1条に定められた学校を指すため、「一条校」と呼ばれます。一条校になれば、補助金や寄付控除等を受けることができます。その一方、一条校は、文科省の定めるカリキュラムを組まなければならず、外国人学校本来の目的を達成することができないため、一条校を避ける学校も多いのが現状です。

2.各種学校
学校教育法(昭和22年にできた学校と教育課程について定めた法律)
第134条 第1条に掲げるもの以外のもので、学校教育に類する教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別な規定のあるもの及び第82条の2に規定する専修学校の教育を行うものを除く。)は、これを各種学校とする。

各種学校には、語学学校、予備校、医療・看護系学校、理容・美容系学校等があります。この各種学校の中に、外国人学校の名前を見ることができます。

各種学校である外国人学校の場合、卒業をしても日本国内では正式な義務教育を受けた、もしくは高等学校を卒業したとはみなされない、通学定期券の割引適用外など、これまで多くの課題がありました。まだ課題は残されていますが、例えば、現在はほぼ通常の半額以下の価格で公共交通機関の定期券が購入できるなど、様々な働きかけの結果、改善の方向へと向かっているといわれています。

3.民間教育施設(私塾)

90年代に入ると、各地に南米系の学校ができ始めました。その多くが、校地、校舎の自己所有などの基準を満たしておらず、私塾扱いとされました。これまでは、その扱いが問題視されてきた各種学校ですが、各種学校の認可を目指す学校も増えてきています。

<引用文献>
川村千鶴子 編著 (1998)、『多民族共生の街・新宿の底力』明石書店
川村千鶴子 編著 (2008)、『「移民国家日本」と多文化共生論』明石書店
川村千鶴子、近藤敦、中本博皓 編著 (2009)、『移民政策へのアプローチ』明石書店

外国人学校や各種学校の概要については、次の研究の中で詳しくまとめられていますので参考にしてください。

文部科学省委託研究 平成21年度外国人教育に関する調査研究
ブラジル人等の教育機会の現状と課題について『ブラジル人学校等の準学校法人設立・各種学校認可の課題』
http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/pdf_248/05_culture.pdf

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外国人学校の抱える課題

地方自治体の施策やNGOの支援

地方自治体の施策のヒント

外国人学校の教育活動を公共的観点から位置づけ、学校運営を安定させるためには、準学校法人を設立し、各種学校認可を取得することが喫緊の課題といわれています。

2009年10月〜2010年3月にかけて、「文部科学省委託研究 平成21年度外国人教育に関する調査研究 ブラジル人等の教育機会の現状と課題について『ブラジル人学校等の準学校法人設立・各種学校認可の課題』」についての調査(研究代表者:大阪大学教授 中村安秀氏)が実施されました。この研究では、無認可のブラジル人学校4校が準学校法人設立および各種学校認可の申請手続きをする際の支援と協力を通じて、認可取得にあたって直面する課題を分析し、解決に向けた方策を提案しています。

この研究では、都道府県により準学校法人設立および各種学校認可に関わる基準が異なることで起こる課題についても指摘しています。地域によっては基準を緩和し、申請へのハードルを少なくすることに取り組んでいる自治体もあります。

また、都道府県により準学校法人設立および各種学校認可に関わる基準は異なりますが、申請に関わる必要書類は共通する点が多いことも、本研究の中で分かりました。地方公共団体や地域国際化協会、そして外国人学校の支援者の方々が本研究の成果を幅広く活用できるよう、必要書類の様式例を提供いただきました。

準学校法人設立および各種学校認可取得に関わるマニュアル
http://www.clair.or.jp/j/multiculture/tagengo/authorize-school.html
新宿区「外国人学校児童・生徒保護者補助金」
新宿区HP
http://www.city.shinjuku.lg.jp/tabunka/file02_00002.html

新宿区に在住で、子どもが学校法人東京朝鮮学園、学校法人東京韓国学園及び財団法人東京中華学校の設置する小・中学校に通学している保護者の方で、所得が基準額内の方に対し、新宿区では補助金を支給しています。

公益財団法人茨城県国際交流協会「ブラジル人学校日本語指導支援事業」
公益財団法人茨城県国際交流協会HP
http://www.ia-ibaraki.or.jp/kokusai/soudan/kyousei/index.html#brazil

茨城県内にあるブラジル人学校で学ぶ子どもたちへの日本語指導を支援するために「ブラジル人学校日本語指導支援事業」を実施しています。この事業では、ブラジル人学校の日本語指導担当者への日本語教授法研修を行うとともに、研修を修了した学校を対象として子どもたちのための日本語指導教材を交付しています。

公益財団法人兵庫県国際交流協会
公益財団法人兵庫県国際交流協会HP
http://www.hyogo-ip.or.jp/support/modtreepage01_7181/modtreepage01_7166/

外国人学校の児童・生徒が、1泊2日以上の日程で学習の場を教室から豊かな自然の中へ移し、兵庫県の自然風土や伝統文化への理解を深め、地域住民と交流を図るなどの活動をする場合、1校当たり42万8千円を限度として予算の範囲内で対象経費の3分の1を助成しています。

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先進事例紹介

各地域では、外国人学校同士のネットワークづくりも進められています。

兵庫県外国人学校協議会

公益財団法人兵庫県国際交流協会HP
http://www.hyogo-ip.or.jp/dantai/contents/111.htm

阪神淡路大震災の後、兵庫県下の外国人学校間及び日本人学校との交流を深め、地域の国際化に貢献することと兵庫県が推進する「世界に開かれたまち」づくりに寄与するために、1995年に設立された団体です。外国人学校の生徒と日本の学校の生徒たちとの交流の場つくりも行っています。

かながわ外国人ネットワーク

2010年2月、かながわ外国人ネットワークが発足されました。神奈川県内には、インターナショナルスクールやインド、ブラジル、ドイツ学校、中華学校、朝鮮学校など多くの民族学校があります。それぞれの文化を担う子どもたちの未来をサポートし、教育環境を整え、学校と学校、学校と市民をつなげるために立ち上げられました。

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