多文化共生2.0の時代

第24回 2019.12.19
2019年多文化共生10大ニュース

山脇啓造

日本における多文化共生社会の形成に関連するニュースを選びました。

外国人集住都市会議が群馬県太田市で開催(1月)

外国人住民の多い15都市の首長が参加する外国人集住都市会議が、「外国人材の受入れと多文化共生社会の実現」というテーマを掲げて、群馬県太田市で開催されました。会議の最後に、「外国人住民との共生に取り組んできた基礎自治体としての四半世紀にわたる経験を生かし」、「多文化共生社会の実現」に向けた取り組みを進めていくことを宣言しました。

法務省の外局として出入国在留管理庁が発足(4月)

改正入管法の施行にあわせて、法務省の外局として、出入国在留管理庁が発足しました。出入国管理部と在留管理支援部の二部体制で、後者には在留支援課が置かれ、外国人支援や共生社会づくりを担っています。また、外国人の受入れ環境整備を目的として、全国8つの地方入管局及び3つの支局に合計13人の担当者が配置されました。

文部科学相が中央教育審議会に「増加する外国人児童生徒等への教育の在り方」を諮問(4月)

文部科学省の中央教育審議会に対して「増加する外国人児童生徒等への教育」に関する諮問がなされました。その中に、「異文化理解や多文化共生の考え方に基づく教育の在り方」が含まれていることが注目されます。2019年6月に、「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」が設置されました。

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の充実について」が決定(6月)

第5回外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において、昨年12月に策定された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」をさらに充実させる「…対応策の充実について」が決定されました。外国人共生センター(仮称)の設置、多言語化の推進(11言語から14言語への拡大)、やさしい日本語の活用などが含まれました。

外国人への日本語教育の推進を目指した日本語教育推進法が成立(6月)

「多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現」と「諸外国との交流の促進並びに友好関係の維持及び発展」を目的とする「日本語教育の推進に関する法律」が公布、施行されました。国、自治体、企業の責務を定めたもので、政府は日本語教育の基本方針の策定を求められ、2019年9月に日本語教育推進会議を設置しました。

指定都市市長会が内閣府及び法務省に共生施策の根拠法整備を提言(7月)

全国の20都市が参加する指定都市市長会(会長・林文子横浜市長)が2019年1月に「外国人材の受入・共生社会実現プロジェクト」を設置し、7月に内閣府及び法務省に対して、「外国人材の受入れ・共生社会実現に向けた指定都市市長会提言」を行いました。「共生社会実現に向けた政策・施策の根拠となる法制度の構築」を求めています。

浜松市と国際交流基金が都市間連携国際サミットを開催(10月)

浜松市と国際交流基金は都市間連携国際サミット2019浜松を開催しました。鈴木康友浜松市長が参加した「多文化共生」のセッションでは、欧州評議会が進めるインターカルチュラル・シティ・プログラムに参加しているボッチェルカ市(スウェーデン)市長、バララート市(オーストラリア)副市長及び都市政策専門家のフィル・ウッド氏が参加しました。

出入国在留管理庁が「生活・就労ガイドブック」のやさしい日本語版を発行(10月)

出入国在留管理庁は発足直後の4月に「外国人のための生活・就労ガイドブック」の日本語版と英語版を発行しましたが、10月に日本語版第2版と同時にやさしい日本語版「生活・仕事ガイドブック」も発行しました。出入国在留管理庁は今後、やさしい日本語の普及に力を入れていくようです。

総務省が「多文化共生推進プラン」を見直す研究会を設置(11月)

「地域における多文化共生推進プラン」(2006年3月)を見直すため、総務省が多文化共生の推進に関する研究会を設置しました。総務省の同プラン策定によって、全国の都道府県や政令市は多文化共生施策の指針や計画づくりに取り組んだ経緯があり、今回、新たなプランが策定されると、全国の自治体の取り組みに大きな影響が及ぶことが予想されます。

川崎市がヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例を制定(12月)

公共の場所で外国人等に対するヘイトスピーチを繰り返した者に刑事罰(50万円以下の罰金)を科す川崎市の「差別のない人権尊重のまちづくり条例」が12月12日に成立しました。道路や公園などの公共の場で拡声器や看板、ビラなどを使ってヘイトスピーチを行うことを禁じる内容で、2020年7月1日に全面施行します。