外国人と介護をめぐる課題

国・地方自治体等の対応状況を知る

国の施策

総務省「多文化共生の推進に関する研究会報告書」

2006年3月に発表された、総務省「多文化共生の推進に関する研究会報告書」では、地方自治体が地域における多文化共生を推進する上での課題と今後必要な取り組みについて検討しており、在住外国人の「生活支援」の観点として検討すべき取組に、高齢者・障害者への対応を掲げています。

<以下抜粋>
3.生活支援
(5) 医療・保健・福祉

医療保険に加入していない外国人住民が医療機関で受診する際は、医療費が高額となるために医療費の未払いとなったり、重症になるまで受診しないために結果としてより高額な医療費が発生するなど、様々な問題が生じている。また、受診にあたっては医療通訳者が必要な場合があるが、医療通訳者の確保およびその費用を誰が負担するかについても課題となっている。
母子保健や感染症対策など保健の面でも同様に課題があり、さらに外国人住民の高齢化により、年金や介護の分野でも多様な言語や多文化の対応が必要となっている。
このように、医療・保健・福祉分野においても、言語や習慣等のちがいに配慮した行政サービスの提供が求められており、国や地方自治体においては、以下のような取組を検討する必要がある。

【地方自治体において検討すべき取組】
F.高齢者・障害者への対応
高齢の特別永住者等の中には日本語によるコミュニケーションが困難な人も存在する。介護保険分野や障害者福祉においても、介護制度の紹介やケアプラン作成時の通訳者派遣など、多様な言語による対応や文化的な配慮が求められる場合があることから、その対応方策を検討する。

<引用文献等>
総務省「多文化共生の推進に関する研究会報告書,2006年3月

↑ このページの先頭へ戻る

地方自治体の施策

無年金者への給付金の交付

在日コリアンの無年金問題については、先に紹介しましたが、無年金となった高齢者へ救済措置として給付金を交付している自治体もあります。
初めて交付をしたのは平成6年の川崎市で、その後全国の自治体に広がりを見せ、現在では600以上の自治体に及んでいます。しかし、給付金額は、全国平均で1万5千円/月程度で、年金に代わり得る金額とまではいえず、また、各自治体によっても金額に差があるのが現状です。

<川崎市HP>
http://www.city.kawasaki.jp/templates/outline/350/0000002949.html

↑ このページの先頭へ戻る

国際交流協会やNGOの支援

在日コリアン高齢者向け生活支援事業(NPO法人京都コリアン生活センター・エルファ)

在日コリアンの高齢者を対象に、ホームヘルパーの派遣やデイサービスなどの事業を運営し、利用者の文化的背景に配慮したサービスを提供しています。デイサービスでは、ハングルの歌を歌ったり、コリアン料理を楽しんだりすることができ、また、在日コリアン障害者支援、子育て支援なども行っています。

<引用文献等>
NPO法人京都コリアン生活センター・エルファHP
http://lfa-kyoto.org
総務省「多文化共生の推進に関する研究会報告書,2006年3月

↑ このページの先頭へ戻る

定住外国人とともに学ぶ実践介護塾(公益財団法人宮城県国際化協会)

外国人住民を対象に、高齢者福祉制度や認知症についての講義や実技、施設見学などを行う「実践介護塾」を2015年度に全3回実施し、中国や韓国・朝鮮、フィリピン出身者など延べ45人が参加しました。

講座終了後には「アウトプットプログラム」として、県内の介護職従事者と、講義を受講した外国人との間で意見交換する機会を設けています。

<引用文献等>
宮城県国際化協会HP
http://mia-miyagi.jp/
総務省多文化共生事例集
http://www.soumu.go.jp/main_content/000476646.pdf

↑ このページの先頭へ戻る

多様な文化的背景を持つ外国人高齢者支援(NPO法人神戸定住外国人支援センター)

高齢の外国人住民の多様な文化的背景を尊重した介護・福祉サービスに取り組んでいます。具体的には、通所介護事業「デイサービスセンターハナの会」の開設、居宅介護支援事業・訪問介護事業「ハナ介護サービス」の開始、「グループホームハナ」の開設、グループホームに併設する「小規模多機能型居住介護ハナ」の開設など、ニーズに合わせて支援を拡大しています。

<引用文献等>
NPO法人神戸定住外国人支援センターHP
http://www.social-b.net/kfc/
総務省多文化共生事例集
http://www.soumu.go.jp/main_content/000476646.pdf

↑ このページの先頭へ戻る

地域で支え合う老後

横浜市泉区 いちょう団地地区

泉区在住の外国人は約2,600人ですが、そのうちの約半数は「いちょう団地」に在住しており、団地に住む人の約30%を占めています。団地に住む日本人は高齢化が進んでいることから、外国につながる若者が地域の担い手となっています。
ここでは、消防署等と協働し「6か国版防災パンフレット」を作成するほか、外国につながる若者たちが、「救命講習」、「応急手当法研修」などの受講をすることで、防災リーダーを育成し、地域における母国語を使用した防災指導、災害時の広報活動などを行っています。
今後、中高生など若者世代のさらなる参加促進を図るため『防災の担い手から、地域の担い手』をスローガンに活動の場、幅を広げていくとしており、こうした活動が、地域の高齢者にとっても大きな助けとなることが期待されます。

泉区連合自治会町内会長会 HP
http://www.izumikuren.net/top.php?id=10
パソネット泉 HP
http://pni.shakyo-iy.or.jp/chiiki_act/310/try_angels/start.html

↑ このページの先頭へ戻る