外国人と介護をめぐる課題

介護サービスの利用

在住外国人の「介護」という課題

たとえ日本で長く生活し、日本の生活習慣に順応していたとしても、老後の生活は、慣れ親しんだ言葉、食生活や習慣などの環境のもと、安心して過ごしたいと考える人は多いでしょう。

在留資格が3か月以上の外国人は介護保険の適用対象となっています。
しかしながら、実際には、外国人が日本の介護施設でサービスを利用する際に伴う特有の問題として、言葉の壁や生活習慣・文化の違い、無年金の問題との関わりから生じる経済的な問題などが存在しています。

特に、在日コリアンの高齢者の中には、戦前戦後の朝鮮半島における社会規範や貧困などの背景から、就学経験がない女性高齢者が圧倒的に多いため、介護保険サービスに関わる文書での情報がうまく伝わらない場合もあり、サービスの存在自体を認知できないケースもあります。

また、介護する側にとっても介護の実践において、馴染みの習慣から生じる「違い」や外国人の高齢者が持つ「特徴」を身をもって感じることがあるといいます。
さらに、日本語が全く話せない高齢者はもとより、普段は日本語が話せる高齢者でも、興奮したり、認知症が進行したりすると急に会話が母国語になることがあり、コミュケーションがとれなくなるといった事例もあります。

しかしながら、彼らと同じ文化や言語を共有することのできるスタッフが在籍する施設や、特有のニーズに応えた施設は、現状一部の地域に限定的に存在するのみで、こうした文化的背景への配慮や個性を尊重した支援や、そのための人材育成のシステム、環境づくりなど、国や地方自治体レベルでの取り組みの一層の拡充が望まれています。

<引用文献等>
川村千鶴子、近藤敦、中本博皓 編著 (2009)、『移民政策へのアプローチ』明石書店
厚生労働省 介護保険事業状況報告
全国の外国人登録者のうち、第一号被保険者数についての統計が公表されています。
<厚生労働省HP>
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/toukei/joukyou.html

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