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Vol.153 特集・災害に備える

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□■□      CLAIRメールマガジン vol.153(2016年9月2日)
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□                 ~ 特集・災害に備える ~

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このたびの台風で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災され
た皆様に心よりお見舞い申し上げます。
すべての方が平穏な暮らしに戻れるようお祈り申し上げます。

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                            T O P I C S               
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【特集記事1】ボランティアが支える災害支援体制

【特集記事2】アメリカの防災行政 ~ニュージャージー州の取組~

【記事】シンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道、2026年開業へ

【記事】自動車に頼らない街づくりを!
    シンガポールの中心部で「車のない日」を試験導入

【INFO】韓国の法令・統計など政府情報を調査する実習!
    平成28年度アジア情報研修を開催します

【REPO】スタッフだより 夏の終わり  

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【特集記事1】ボランティアが支える災害支援体制
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ボランティアが人々の意識や生活に浸透しているオーストラリアでは、様々な
シーンにおいてその活躍が見られます。災害支援においても、多くのボランティ
アが体制を支えています。

例として、風水害時における災害対策・支援を担う州政府組織「NSW州緊急サー
ビス」は、日本の国土の2倍以上の面積を持つ州管内を300名程度の常勤職員
と、これを補うボランティアで担当しています。現在のボランティア登録者数
はおよそ9,000人で、組織の主な役割は、災害発生時の事態対処や情報発信だ
けでなく、災害に対する事前の予防やリスク軽減、コミュニティへの教育、災
害後の被災者支援等多岐に渡ります。

登録したボランティアは、救助ボートの操作や倒木除去のためのチェーンソー
技術など、様々な訓練を受けることができます。こうして身に付けたボランティ
ア各人の技能はデータベース化され、災害発生時には、事態に応じた人材が選
り分けられ出動が要請されます。データベースには外国語能力も登録されてお
り、多言語的な対応が求められる支援に活用されます。もちろん、ボランティ
アの任務における負傷や賠償責任は補償されています。

ボランティアに志願する動機付けは、国や住んでいる地域への貢献や使命感で
あるようです。日当や現場への移動費用等の金銭的な手当ては無く、恩恵と言
えそうなのは、受講した訓練が関連する資格の取得に際し単位として認定され
る程度です。ボランティアスタッフの一人は「ボランティアと自分の仕事との
バランスが大変だ」と言う一方で、それ以上の「やりがい」を感じ、「満足」
を得られると言います。

このように必要なマンパワーをボランティアで補う仕組みは、日本でも参考と
なる点がたくさんあり、そのシステムや活用例について今後も注目していきま
す。
 
                   (シドニー事務所所長補佐 川村)

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【特集記事2】アメリカの防災行政 ~ニュージャージー州の取組~
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ハリケーンの上陸予想時間から逆算した「タイムライン」を作成し、あらかじ
め取るべき対応を整理しておく―。ニュージャージー(NJ)州が作成した「
ハリケーン意思決定支援ツール(Hurricane Decision Support Tool)」にお
いて採用しているこの手法は、米国東海岸に甚大な被害をもたらした2012年の
ハリケーン・サンディへの対応において、減災に力を発揮しました。

この「ハリケーン意思決定支援ツール」は、ハリケーンの上陸予測時刻の120
時間前から上陸後に至るまで、各時点において取るべき対応や、当該対応に当
たって連携すべき機関をリスト化した小冊子であり、緊急事態における円滑な
対応を目的として作成されたものです。

防災関係施設も、リスト化された各機関相互の連携を前提に整備されています。
昨年秋、NJ州危機管理局の広大なオペレーションルームを筆者も見学する機
会がありましたが、そこでは各機関が座る席まであらかじめ割り振られていま
した。サンディの上陸時には、各行政機関や赤十字などの緊急援助団体等、最
大で500人程度がここで業務を行ったといいます。

日本においても、NJ州などを参考に、国土交通省が全国の河川のうち直轄管
理区間を対象に「タイムライン」の策定を進めているほか、東京都大島町、三
重県紀宝町、高知県大豊町など、自治体における取り組みも広がっています。

ところで、NJ州の「ハリケーン意思決定支援ツール」はルールではなく、あ
くまで意思決定を支援するものに過ぎません。NJ州危機管理局の担当者によ
れば、様々な事態に際して実際にどのような対応を行っていくかは、オペレー
ションルームに参集した各機関の責任者が協議の上で決定されるといいます。
「タイムライン」の作成を通じた事前の調整だけでなく、緊急事態発生後の各
機関相互における実際の調整過程についても、我々が学ぶべき面がありそうで
す。

                 (ニューヨーク事務所所長補佐 早瀬)

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【記事】シンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道、2026年開業へ
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2016年7月19日、シンガポールとマレーシアの首都・クアラルンプールを結ぶ
高速鉄道計画に関する覚書を両国政府が締結し、2026年までの開業を目指して
スタートを切りました。


高速鉄道(HSR)はシンガポールとクアラルンプール間約350kmをわずか90分で
結びます。これは東京-名古屋間とほぼ同距離で、既存の交通機関利用時の半
分以下に時間を短縮し、手軽に日帰り移動することができるようになります。
HSRの開業は両国間における友好交流の増進に寄与するとともに、シンガポー
ルとマレーシアの経済的な相互依存性をさらに深め、ASEAN経済共同体の「中
心」としての効果を期待されています。

ASEANをリードする2ヶ国の首都圏を結ぶことから、ビジネスや観光への波及
効果など「ヒト・モノ・カネ」の流れを変え、2大商圏が一体化された経済圏
となることが見込まれます。日本の地方自治体は、観光インバウンド促進や地
域産品の販路拡大などについて、この動きを踏まえたマーケティング戦略を構
築していくことが求められます。

計画では、車両や信号、線路といった関連システムの管理を担う事業、首都間
を直通で結ぶ急行やシンガポールとマレーシアの国境を往来するシャトル便の
運営事業、マレーシア国内の主要都市に停車する列車の運営事業の3つに分割
し、各々国際入札を実施するとしています。日本は来年中と見込まれる国際入
札に向けて、国土交通大臣が両国内でトップセールスを行い、新幹線技術の安
全性をアピールするなど、官民一体で着実に準備を進めています。日本の高い
技術がASEANの更なる発展に貢献することが期待されます。

                (シンガポール事務所所長補佐 佐々木)

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【記事】自動車に頼らない街づくりを!
    シンガポールの中心部で「車のない日」を試験導入
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シンガポールでは、本年、ラッフルズキーやパダン周辺など中心商業地区及び
シビック地区の一部道路で自動車の進入を一定時間禁止する取り組みを試験的
に導入しました。2016年2月から7月の毎月最終日曜日の午前中に実施するた
め「カー・フリー・サンデーSG」と呼んでおり、自動車を気にせず自由にサイ
クリングやジョギングなどを楽しむことができるように車道を開放するととも
に、地区内の広場ではヨガイベントや子供向けミニサッカー大会など各種スポ
ーツ行事などを開催。また、歴史的建造物など興味を引く場所があることでも
知られているシビック地区では、ナショナル・ギャラリーを通常より早く開館
させるなど、多くの人々の来訪に努めました。

これは、持続可能な都市を目指し、自動車に頼らない社会へ転換するためのシ
ンガポールの取り組みの一つであるとともに、活動的な生活スタイルを促進す
ることも狙いとしたとのことです。

私も4月の開催日に参加しましたが、多くの人々がシンガポール中心部の車道
を堂々と走ったり歩いたりしながら思い思いに楽しんでいました。同国都市再
開発庁(URA)によると、実施地域の拡大や永続化を検討しているとのことで、
スポーツなど人々が楽しむ仕掛けを織り交ぜながら、市民の都市交通及び健康
への意識の向上を図っているようです。

                 (シンガポール事務所所長補佐 小暮)

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【INFO】韓国の法令・統計など政府情報を調査する実習!
    平成28年度アジア情報研修を開催します
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国立国会図書館関西館アジア情報課と日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済
研究所との共催により、アジア情報の収集・提供に関するスキル向上を図るこ
とを目的として、平成28年度アジア情報研修を行います。

日本語情報を手がかりに韓国語の情報を調べる方法をご紹介します。韓国語の
入力・読解ができない方も参加していただけます。

開催日時:2016年11月24日(木)~11月25日(金)
会    場:国立国会図書館 関西館 第一研修室 
     (京都府相楽郡精華町精華台8丁目1-3)
テ ー マ:韓国の諸制度と統計を調べる
参 加 費:無料
申込期限:2016年10月30日(日)

詳細
< http://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/asia-workshop28.php >

申込フォーム
< https://www.jetro.go.jp/form5/pub/lia/asiainfot >
               
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【REPO】スタッフだより 夏の終わり         
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先週日曜日に開催された大曲花火大会に初めて行ってきました。
曲に合わせて空一面に打ち上がった大迫力の花火。あまりの迫力に自然と感嘆
の声がこぼれ落ち、拍手喝采。目の前が花火に埋め尽くされた、あの光景は感
動的で、未だにあの時の興奮が思い起こされます。最近よく見るようになった
ニコちゃんマークはもちろんのこと、傘やドラえもん、ロケットや惑星等の形
の花火もありバラエティにも富んでいました。

各地の花火大会が終わり、夏が過ぎ去っていくのを感じる、今日この頃ですが
今年の秋は杜の都仙台でストリートジャズにふれてみませんか。街中をブラブ
ラ歩いているだけで、様々なバンドの演奏を楽しむことができます。交差点を
ひとつ曲がると聞こえてくる音楽が変わり、信号を渡るとまた別の音楽が聞こ
えてくる。街がステージへと一変するこのイベントを今年こそ体感してみてく
ださい。 

第26回定禅寺ストリートジャズフェスティバルin 仙台
< http://www.j-streetjazz.com/ >
                        
                         (企画調査課主事 倉田)

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【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
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