CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会

サイト内検索

文字サイズの
変更

色の変更

CLAIRメールマガジン

CLAIRメールマガジンバックナンバー

Vol.163 特集・欧米のバリアフリー

___________________________________
■□■□
□■□      CLAIRメールマガジン vol.163(2016年12月2日)
■□
□              ~ 特集・欧米のバリアフリー ~

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                            T O P I C S               
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【特集記事1】居住者も旅行者もアクセスしやすい街を目指して
       (スウェーデン・ヨーテボリ市)

【特集記事2】アメリカでの選挙におけるバリアフリー

【記事】タイのプミポン国王逝去

【REPO】スタッフだより 雪の日の心模様 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【特集記事1】居住者も旅行者もアクセスしやすい街を目指して
       (スウェーデン・ヨーテボリ市)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本ではバリアフリー(Barrier free)という用語を使う場面において、こち
らではアクセシビリティ(Accessibility)という単語がよく使われています。
すべての人にとってアクセスしやすい、利用しやすいという状態を指し、バリ
アフリーより広い概念のように感じます。ヨーテボリ市(スウェーデン)は、
人口約52万人、首都ストックホルムに次ぐ国内第二の都市で、2014年に高いア
クセシビリティを持つ都市として欧州連合(EU)から表彰されました。同市の
主な取り組みについて紹介します。

◯特性にあわせた移動についての情報提供と訓練

交通局が提供する移動方法の検索システム「Travel Planner」では、検索の際、
個人の障害や特性に応じた条件を設定することができます。例えば、ベンチ付
きのバス停、車内における音声案内、車椅子やベビーカーのスペース、ノンス
テップなどの条件です。システムはスウェーデン語と英語で提供されており、
旅行者も使うことが可能です。また、公共交通機関を使って一人で移動したこ
とがない人に対しては、専門知識を持つインストラクターのサポートのもと、
一人で移動できるようにするための訓練が受けられます。

Travel Planner
< http://www.vasttrafik.se/#!/en/ >

◯市内3,000の公共施設・空間のアクセシビリティ状況の公開

ウェブで公開されているアクセシビリティ情報のデータベース「TD」に、市内
の公共施設・空間の登録を義務付けています。施設ごとに、駐車場、エレベー
ター、受付カウンターなどの有無やその詳細が、写真を添えて紹介されており、
誰でも簡単にその施設や空間のアクセシビリティについて知ることができます。
TDは元々この地域の観光局が中心になって作られたデータベースですが、現在
ではストックホルムやその他のエリアの情報も含め約5,300件の情報が登録さ
れ、5言語で提供されています。

TD
< http://www.t-d.se/en/TD-2/ >

◯ユニバーサルデザイン製品の利用拡大

公共施設で利用する物品について、ユニバーサルデザイン製品の調達を推奨し
ています。具体的には、調達についてのガイドライン制定、専任コーディネー
タの設置、調達プロセスにおける当事者の関与(例えば、高齢者施設における
物品調達については高齢者団体から意見聴取)などにより、調達を進めていま
す。

                   (ロンドン事務所所長補佐 高坂)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【特集記事2】アメリカでの選挙におけるバリアフリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
11月8日にアメリカ大統領選挙の一般投票が行われました。私はこれに先立ち4
月に行われたニューヨークの予備選挙において、当事務所が入居しているビル
の1階にある高校に設置された投票所でその様子を見ることができました。投
票は、マーク式の投票用紙に記入して行われていましたが、障害がある方など、
マークの記入が困難な方のためのタッチパネル式の電子投票機も設置されてい
ました。

アメリカでは、障害による差別をなくすために多岐にわたる法律が整備されて
います。障害者政策全般にかかわる中核的な法律として制定された「障害を持
つアメリカ人法(ADA法)」では、各種サービスや雇用の面で健常者との機会
均等を図ろうと、障害に基づく差別を広く禁じています。同法では障害のある
者が州・地方自治体の公共サービスにアクセスできるようにすることを義務付
けています。また、「テレビコーダー法」・「電気通信法」では、テレビ放送
において、番組提供者が字幕をつけ、13インチ以上のテレビには字幕を表示す
る機能をつけることを義務付けています。今では、家庭用テレビのメニュー画
面で「字幕表示」をオンにするだけで、大統領候補者による討論会を始め全て
の番組を字幕つきで見ることができるようになっています。

また、「高齢者・障害者投票アクセス法」では、投票所へのアクセスを容易に
するため、投票所における障害者用の駐車場の確保やスロープの設置、車椅子
利用者の投票ブースの設置などが求められています。投票所によっては、中に
入ることができない場合、係員が車まで行って投票用紙を受け取るといった方
法もとられています。

各州の投票に関するウェブページには、障害者が投票所に行きやすくするため
の取組について紹介するページも作られています。カリフォルニア州で障害者
の人権と法的権利を向上させる活動を行う非営利団体の「Disability Rights 
California」は、「Your Vote Matters!」と題した動画を作成しています。こ
の動画では、点字の投票用紙や、音声とボタンを使用した投票方法などが導入
されている様子が紹介されているのでご覧になってみてください。

「Your Vote Matters!」はこちら
< http://www.sos.ca.gov/elections/voting-resources/voters-disabilities/ >

                 (ニューヨーク事務所所長補佐 栗原)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【記事】タイのプミポン国王逝去
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2016年10月13日、タイのプミポン国王が逝去されました。現在、タイ国内は、
国を挙げての服喪期間となっています。国民は黒または白の衣服を着用して日
常生活を過ごしており、タイを訪問する観光客に対しても、タイ観光スポーツ
省は、公共の場で、地味で敬意のある服装を着用することを推奨しています。
 
国王逝去から約1ヶ月半が経ち、タイ政府は、通常のテレビ放送再開を承認し
たり、伝統的行事や祝祭行事等の再開を許可したりしていますが、今後の国内
の消費市場や観光業界での自粛ムードはしばらく続くとみられています。タイ
の盤谷(バンコク)日本人商工会議所は、11月11日(金)に発表した「プミポ
ン国王崩御に関する第4回緊急ヒアリング調査結果」で、今後の見通しについ
て、12月5日の国王誕生日以降か、あるいは崩御後100日を超える来年2~3月ご
ろまでか、消費回復には一定の期間が必要と伝えています。

国王逝去の報は、現在軍事政権であるタイの民政復帰にも大きな影響を与える
のではないかとみられていました。しかし、政府は新憲法公布を計画通り進め
ると強調し、それを実行に移しています。現在、タイでは新憲法草案が国王首
席秘書官事務局に提出されており、また、ワチラロンコン皇太子が12月1日に
新国王に即位したところであり、報道では、順調に行けば新憲法は新国王の承
認を受けて来年早々に公布する予定と伝えられています。

国民に深く敬愛されていたプミポン国王の逝去は、タイ国内にどのような影響
を及ぼすのか、今後の動きに全世界の注目が集まります。

                 (シンガポール事務所所長補佐 押川)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【REPO】スタッフだより 雪の日の心模様
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
先日、54年ぶりに11月の降雪が確認された東京。その前日には、この記録的な
天候が各メディアで予報され、30歳を超えた私も、子どものときの遠足前夜に
体験したような、なんとなく高揚した気分で布団に入り、なかなか寝付けませ
んでした。
こうした胸の高まりは、往々にして、翌朝の失望感へと変わるのですが、今回
はしっかり期待に応えてもらえたと、満足して身支度を調えました。
この満足感が、これから味わう通勤の壮絶さに次第に打ち消されていくことを、
わかっていながら、知らないふりをして。
                       (企画調査課主査 渡邉)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集・発行】一般財団法人自治体国際化協会(企画調査課)
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル7F
HP < https://www.clair.or.jp/ > TEL:03-5213-1722 FAX:03-5213-1741

Copyright(C) 2016 Council of Local Authorities for International Relations.
All Rights Reserved.  許可なく転載することを禁じます。

配信解除は、下記メールアドレス宛に御連絡下さい。
clairmailmagazine@clair.or.jp
このページに関するお問い合せ先

総務部企画調査課
電話:03-5213-1722 Fax:03-5213-1741
Email:kikaku@clair.or.jp

ページの先頭へ