自治体国際化フォーラム

地域の国際化活動に有益な情報を、地方公共団体をはじめ関係者に広く紹介する“自治体のための国際化情報誌”「自治体国際化フォーラム」を毎月発行し、都道府県、政令指定都市、特別区、全国の市町村、地域国際化協会等に無料で配布しており、発行部数は6,000部に上っています。 特集等のテーマについてのご要望、地域の情報、ご意見等を担当課までお寄せください。

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自治体の海外展開の広がり・シンガポールの政策事例から見る
産学官連携による自治体の取り組み

 

 多くの企業や研究機関が国境を越えて活動の幅を広げているのに伴い、自治体においても、友好交流事業や地元特産品の販路拡大支援に加え、経済ミッション団の派遣、地元企業の海外進出支援、日本方式の技術定着を見据えた技術協力など活動の幅に広がりを見せ、事業例も増えている。地域の成長戦略を考え、地元住民や企業のニーズに応えていくためには、自治体としても海外にまで視野を広げていくことが求められる時代となったといえよう。

 海外での事業は、日本とは習慣や法制度、政治体制などが異なる中での実施となり、相手国の状況を把握するために、現地の日系関係機関はもとより、カウンターパートとなる海外の政府・自治体も巻き込んで、協力体制を築く事が、事業を円滑に進めるための重要な課題となる。

 こうした状況の中、自治体に期待される重要な役割の一つは、地域の関係機関の強みを生かした連携を進めることにより、その価値を最大限高めるとともに、海外でのベストパートナーとの協力関係を確保することである。地域の資源である企業や学術機関が自治体を中心に連携することで、地域の総合力を生かした新たな価値が生み出され、政府レベルを含めた現地機関との効果的な協力により、トラブルを最小限に抑え、現地の実情に即した展開を図ることが可能になる。

 本特集では、自治体が産学と連携して進めている海外での取組事例に着目し、地域の強みを活かしたアプローチで地域のビジネス・インフラの海外展開を図っていこうとする事例を取り上げる。

 姉妹都市関係などの既存の協力関係を基に築かれてきた海外自治体との長年の信頼関係を生かし、地元企業や大学と協力して海外展開を進めている事例(大阪市、北九州市)や、逆に地元企業の取り組みをサポートする形で連携して海外進出を行っている事例(神戸市)、トップレベルでの交流をきっかけに海外政府と繋がり、農業分野における新たなビジネスモデル構築を目指した取り組み(茨城県)、さらには企業の海外進出先における継続した支援ニーズが地元企業から高まり、現地でも中小企業の技術支援を行う体制が築かれた事例(東京都)を紹介したい。

 また、政府レベルでも、国内の産学官連携により進められている環境モデル都市において、日本の自治体・企業が有する技術を海外での課題解決に繋げていこうとする取り組みが新たになされている。

 最後に、シンガポール政府による産学連携を誘発するための取り組みを紹介する。高付加価値産業の育成により、さらなる産業の高度化を目指す都市国家シンガポールは、学術関係者と企業を結びつけ、新たな価値を生み出す基盤の整備に注力しており、日本の自治体にとっても参考になるものと思われる。

  

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